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大人こそ堪能したい世界、珠玉の絵本作家たち。贈り物にもおすすめの絵本

こんにちは。先日、Twitterでおすすめの絵本について考えるきっかけがあり、ブログの方でも絵本について取り上げてみようと思いました。

子どものころに絵本が好きだった方は少なくないのではないでしょうか。大人になって触れる絵本の世界は、洗練された易しい言葉で紡がれた文章や、想像力に満ちた絵の素晴らしさに、改めてはっとすることがあります。

今回ご紹介する絵本はお子さまから大人の方まで、贈り物としてもおすすめの美しい作品を厳選しました。この記事を読んでくださった方にとって、心に残る1冊との出会いがありますと幸いです。

目次

おすすめ① 酒井駒子さん

酒井駒子さんは、兵庫県生まれの絵本作家です。

唯一無二の作風は海外からの評価も高く、過去の作品にはフランスやオランダで受賞歴のあるものや、ニューヨークタイムズの「2009年の子供の絵本最良の10冊」に選出されたこともあります。

1. 金曜日の砂糖ちゃん

金曜日の砂糖ちゃん(文・絵/酒井駒子)

こちらは、高校生だった私が酒井駒子さんの作品を知るきっかけになった絵本です。2005年にブラチスラバ世界絵本原画展金牌を受賞しています。学校帰りに立ち寄った本屋さんでたまたま見つけて、その作品の美しさに驚愕しました。

以来、酒井駒子さんの作品はいつもチェックしています。この絵本に関しては、児童書ではありますが対象年齢が中学生からとのことで、小学校高学年〜大人の方向けの1冊です。

2. くまとやまねこ

くまとやまねこ(文・湯本香樹実/絵・酒井駒子)

児童文学のベストセラー「夏の庭―The Friendsや、2015年に映画化された小説「岸辺の旅」の著者で、作家の湯本香樹実さんが文を担当されています。なんと豪華な組み合わせ!

こちらは、第40回講談社出版文化賞、第1回MOE絵本屋さん大賞第1位、2009年国内絵本「この絵本が好き! 」第1位と、2008年に刊行されてすぐ話題になりました。

最愛の友だち・ことりを亡くしたくまが、悲しみに向き合う様子が描かれています。大人の方がグッとくるかもしれない、涙なくして読み聞かせできない1冊です。

3. こりゃ まてまて

こりゃ まてまて(文・中脇初枝/絵・酒井駒子)

2015年に映画化された小説「きみはいい子」の著者で、作家の中脇初枝さんが文を担当されています。こちらも素敵な組み合わせですね。

表紙の子がお散歩に出かけて、チョウチョやトカゲ、ハトやネコを見つけては「こりゃ まてまて」と追いかけるお話なのですが、なんともほのぼのした描写が微笑ましい1冊です。0歳〜2歳ごろの幼児さん向けです。

4. ビロードのうさぎ

ビロードのうさぎ(原作 マージェリィ・W・ビアンコ/絵・抄訳 酒井駒子)

イギリス出身の絵本作家、マージェリィ・W・ビアンコが1922年に発表した「The Velveteen Rabbit」が酒井駒子さんの絵と抄訳で刊行されました。

クリスマスの日、ビロードでできたうさぎのぬいぐるみが男の子のところにやってきました。うさぎと男の子はいつも一緒でしたが、日常は少しずつ変化していきます。「大切に思われたおもちゃは本物になれる」と信じたうさぎに訪れる結末には、心が洗われるような気持ちになります。

3歳〜7歳ごろのお子さん向けではありますが、すべてのうさぎ好きさんに贈りたい作品でもあります。

おまけ:絵本の世界にとどまらない、酒井駒子さんのご活躍。本の装画も多数

【小説】アルジャーノンに花束を(愛蔵版)

アルジャーノンに花束を(ダニエル・キイス/小尾芙佐 訳)

この作品、私自身はユースケ・サンタマリアさんが主演で実写化されたテレビドラマを小学生のころに観たのがきっかけで知りました。

2015年に愛蔵版が刊行され、酒井駒子さんが装画と挿絵を担当されています。愛蔵版にぴったりの美しさです。

【小説】七月に流れる花(恩田陸)

七月に流れる花(恩田陸)

直木賞・本屋大賞のW受賞が話題になった「蜜蜂と遠雷」の著者で、作家の恩田陸さんの最新作です。装画を酒井さんが担当されています。

呼ばれた生徒は必ず行かなければならないという「夏のお城」への林間学校に招かれた少年少女。全身緑色の不気味な「みどりおとこ」の引率のもと、古城でのひと夏の共同生活が描かれています。

裏表紙にもときめきます。こちらの小説は少女側から描かれた「七月」で、少年側から描かれた「八月」も同時に刊行されました。

【小説】八月は冷たい城(恩田陸)

八月は冷たい城(恩田陸)

先に挙げた「七月に流れる花」と同時に刊行された作品で、こちらは少年側の視点で描かれています。

おすすめ② 清川あさみさん

清川あさみさんは、淡路島生まれ・淡路島育ちの美術家で服飾系の専門学校を卒業されています。

写真に刺繍を施すという作品が2003年ごろから注目され、絵本作家としても累計約21万部のベストセラー作品がたくさんあります。企業広告のアートディレクションや空間のプロデュースなど、幅広く活動されるアーティストです。

1. 人魚姫

人魚姫(原作・アンデルセン/翻訳・金原瑞人/写真・鈴木理策)

有名なアンデルセン童話ですが、絵本作家としての清川あさみさんを私が最初に知ったのはこちらの作品でした。

「刺繍で紡がれる絵本」との出会いは、衝撃的なものでした。オーガンジーやサテンの布、色とりどりの糸、散りばめられたビーズやスパンコールの装飾など、まるで舞台を見ているかのようです。

こちらは本文が完訳なので、お話としては一般的な人魚姫の絵本よりも長め。ほろ苦い大人向けの1冊ですが、絵がとにかく綺麗なので、きらきらしたものがお好きなお子さんにも喜ばれそうです。

2. 銀河鉄道の夜

銀河鉄道の夜(原作・宮沢賢治/絵・清川あさみ)

人魚姫同様、一般的な絵本に比べて文の量が多いのが特徴です。挿絵入りの小説に近いかもしれません。児童書を読めるようになった年齢ごろから楽しめる1冊です。

児童文学に類される作品の中には、大人になって改めて触れると「ああ、こんな物語だったのか」と驚くものが少なくありません。

銀河鉄道の夜を子どものころに読んで大人になられた世代や、ご年配の方への贈り物にもおすすめです。

3. かみさまはいる いない?

かみさまはいる いない?(文・谷川俊太郎/絵・清川あさみ)

詩人の谷川俊太郎さんが文を担当されています。答えのない問いに正面から向き合う、谷川俊太郎さんらしさにあふれたテーマだと思います。

ひらがなでやさしく綴られていますが、幼児さんには少し難しいかもしれません。「人間って何?」というような、哲学的なことに興味を持ちはじめる年齢のお子さま向けです。親子で一緒に考えてみるのも楽しそうです。

こちらは谷川俊太郎さんの「あかちゃんから絵本」というシリーズの1冊なのですが、色んな方と共同で制作された作品がたくさんあります。

4. ちかづいて はなれて わお!

ちかづいて はなれて わお !(文・絵/清川あさみ)

清川あさみさんといえば、幻想的な雰囲気のある絵本を手がけていらっしゃるイメージがありますが、最新作は「赤ちゃんの脳と心をはぐくむ絵本」の第1弾としてこちらが刊行されました。

テントウムシやパンダなどの大小さまざまな動植物を、近づいて見たり離れて見たりすることで、赤ちゃんの脳を刺激する仕掛けになっています。

清川さんご自身の育児経験が詰まった作品でもあり、0歳のお子さんにも楽しく読んであげられそうですね。

おまけ:ONE PIECEとのコラボも! 清川あさみさんの華麗なるアートワーク

木村カエラさんの「リルラリルハ」CDジャケット

2005年に発売された、木村カエラさんのメジャー3枚目のシングルです。歌詞の中にマーガレットのお花が出てくるので、CDジャケットもマーガレットがデザインされた印象的なものに仕上がっています。

NHKの朝ドラ「べっぴんさん」のポスターデザイン

「べっぴんさん」ではポスターデザインだけでなく、ドラマのOP映像も手がけられていました。

神戸の子ども服メーカー、ファミリアの創業者がモデルの朝ドラだっただけに、ポスターやOP映像を担当されたのが兵庫県出身の清川さんだったことに胸が熱くなりました。

ONE PIECEとのコラボが、週刊少年ジャンプの表紙になった

2013年10月12日に発売された「週刊少年ジャンプ」46号で、清川あさみさんとONE PIECEのコラボが実現しました。漫画のキャラクターが魅力的に引き立っています。

他にもCMや広告デザインなどを数多く手がけられています。もっと知りたい!という方は、清川あさみさんのホームページからぜひご覧ください。

おすすめ③ いせひでこさん

いせひでこさんは、北海道生まれの絵本作家です。

芸大を卒業後、1年間フランスに留学されていました。フランスをはじめ、海外で翻訳・出版されている絵本が多数あります。ノンフィクション作家の柳田邦男さんの妻でもあり、ご夫婦でのいくつかの共著も印象的です。

1. ユリユールおじさん

ルリユールおじさん(文・絵/いせひでこ)

2006年に刊行されたこちらの作品は、私が高校生のときに買った忘れられない絵本です。

ルリユール (Relieur)は、フランスで製本や装幀を手作業で行う職人もしくはその工程を指す言葉です。パリには約50軒の工房が現存しているそうです。私は今パリに住んでいて、街を歩いていると実際にルリユール工房を見かけることがあり「絵本で読んだ、本物のルリユール!」と感動しました。

ソフィーという少女が、お気に入りの植物図鑑を修復してもらうためにルリユールおじさんを訪ねるところからお話が始まります。1冊の本が職人の手によって大切に直され、生まれ変わる様子が水彩で描かれています。最後、大人になったソフィーの姿にも胸を打たれました。

2. 大きな木のような人

大きな木のような人(文・絵/いせひでこ)

2009年に刊行され、大学生のころに買いました。パリの植物園で出会った表紙の2人、ある植物学者と少女の交流が描かれています。「ルリユールおじさん」の主人公・ソフィーが大人になって登場するところにもグッときました。

5区にあるパリ植物園がモデルになっているそうです。私はパリに引っ越してきたのが冬の時期だったこともあり、まだ行けていないのですが…。絵本に登場する樹齢250年のプラタナスや、樹齢400年のアカシアを、いつか自分の目で見てみたいです。

3. チェロの木

チェロの木(文・絵/いせひでこ)

いせひでこさんは芸大のデザイン科を卒業されていますが、13歳からチェロを習われており上京後もチェロの指導を受けられていたそうです。大人になった今も、チェロを続けられているとのこと。素敵ですよね。

森の木を育てた祖父、ヴァイオリンやチェロを作る楽器職人の父、チェロを弾く少年…。水彩で描かれた美しい四季とともに、木そのものや楽器への愛情、音楽への思いがぎゅっと詰まった1冊です。

4. 見えない蝶をさがして

見えない蝶をさがして(文・絵/いせひでこ)

こちらは絵本というより、絵と散文が組み合わされた「エッセイ画集」のような大人向けの作品集です。

月刊俳句誌の表紙のために描かれた絵にご自身で文章を添えられています。10年間にわたって半年に1枚ずつ描き下ろされた表紙絵を、いせさんのエッセイとともに楽しむことができます。

いせひでこさんの絵本をお読みになったことがある方や、いせさんの紡がれる世界観に興味を持たれた方におすすめです。

5. 旅する絵描き タブローの向こうへ

旅する絵描き タブローの向こうへ(文・絵/いせひでこ)

2019年に刊行された、いせひでこさんの最新作です。作家の原田マハさんが帯を書かれていますね。こちらも同じくエッセイ画集のような作品で、パリで画家を目指された日々や、絵を描くことへの思いが綴られた大人向けの1冊です。

原田マハさんの著書「美しき愚かものたちのタブロー」の挿絵が中心になっているため、そちらを読まれたことのある方や、原田さんの作品がお好きな方にも喜ばれそうです。

おわりに

今回、それぞれ違った魅力を持つ絵本作家さん3名について、私のおすすめをまとめてみました。

以前、音楽心理学について学べる本(詳しくはこちらをご参照ください)をTwitterでシェアした際、そこでご紹介した本のうちの1冊「心を動かす音の心理学」に多くの方が興味を持ってくださったようでした。

この本を買って読んだら、面白かった!というツイートや、それをご覧になった方がまた新たに購入されたりと、私が想像していた以上にたくさんの方にシェアすることができて驚きました。

本シリーズは、自分の好きなジャンルに絞ってひっそり続けてみようかなと思います。ご感想やリクエストなどがございましたら、TwitterもしくはInstagramよりコメントしていただけますと嬉しいです!

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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